「はーっはっはっはぁ!」
 突然、甲高い笑い声があたりに響き渡りました。そして、怪ロボットの頭のてっぺんにあるハッチが開き、見覚えのあるいやらしい顔が現れたのです。その顔を見た早村は、わが目を疑いました。
「あ、あいつは‥‥、怪博士トンガリヘッド!生きていたのか!?」
そうです。あの二年前の人工島の基地の大爆発、その中から悪運強くもトンガリヘッドは逃げおおせていたのでした。まさに『憎まれっこ世にはばかる』とはこの事でしょう。
「どうですかな、宇宙科学博覧会のテレビ中継をご覧の全世界の諸君!?このワガハイの可愛いしもべロボット、『デンジボタル』の勇姿は!はーっはっはっはぁ!」
 その時、はるか空のかなたから、ひとすじの閃光が怪ロボットめがけて走りました!それはデンジボタルの触角をかすめて地面に達し、炸裂しました。ドカーン!!国防軍の誇るロケット戦闘機隊が、今到着したのです。

▼たのんだぞ、ロケット戦闘機隊!
ロケット戦闘機隊

「いかん!あの中にはメリー博士が‥‥!」
早村が叫びました。しかし、そんなこととは知らないロケット戦闘機隊は、矢継ぎ早にレーザー砲を浴びせかけます。
「ちいっ。」
トンガリヘッドは舌打ちをするとハッチを閉じ、怪ロボットに、戦闘機から逃げるような格好で背を向けさせました。逃がすかとばかりにその背後に殺到するロケット戦闘機隊。しかし、これは恐ろしいワナだったのです。
 背を向けたデンジボタルのお尻がかあっと青白く輝いたかと見るや、次の瞬間すべての戦闘機が操縦不能となり、炎を上げながら墜落していくではありませんか!
「はーっはっはっはぁ!」
にっくき怪博士トンガリヘッドの不敵な笑い声が高らかにこだまするばかりでした。
 怪ロボット・デンジボタルは博覧会会場をあとにし、今度は東京都心部へとその触角を向けました。必死の防衛を試みる国防軍の戦車部隊。しかし国防軍自慢のミサイル砲も、超高熱の火炎放射も、恐るべきトンガリヘッドのロボットには通じません。
「はーっはっはっはぁ!このデンジボタルは、ワガハイの開発した『スーパー鋼鉄』でこしらえてあるのだ!そんなちゃちな大砲ごときにやられるわけは無いわ。愚か者共めが!これでもくらえ!!」
高圧電流の通った、ムチのようなその触角による逆襲にあい、国防軍の戦車部隊もじりじりと後退し続けるしかありませんでした。デンジボタルは戦車部隊の攻撃などおかまいなしに、都市の建物を破壊しながらどんどん進んで行きます。もう国防軍には、なす術はないというのでしょうか?そして怪博士トンガリヘッドの、次の目的はいったい何なのでしょうか?

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