「地震だ!」 「大きいぞ、気をつけろ!!」 場内が騒然となった次の瞬間、信じられないことが起こったのです。博覧会のシンボル『コスモ・タワー』が、ガラガラと崩れ去り、その土けむりの中から、見るも恐ろしい巨大ロボットが姿を現したのでした!身の丈五○メートルはあろうかというそのロボットは、まるで昆虫のような六本足を持ち、ムチのようにしなる触角をふり回しながら、見る見るうちに開会式の式場へ向かって来ます。 「なんだ、あの化け物は!」 「逃げろーっ!!」 逃げ惑う人々に押し流されながら、早村は夢中でカメラのシャッターを切り続けました。 「これで命がありゃあ、超特ダネいただきだぜ‥‥、ちきしょう!」 各国の護衛官が、怪ロボットに向けて次々に熱線銃を発射しましたが、まったく効き目がありません。 ![]() そうしているあいだにも怪ロボットは博覧会場の来賓席に迫って行きます。 「メリー博士が危ない!」 早村が思わず叫んだその時です。怪ロボットの両目からオレンジ色の光線がひらめいたかと思うと、来賓席の防弾ガラスがまるで飴のように溶け落ちて、恐怖に震えているミス・メリーの体がふわっと空中に浮き上がったではありませんか!! 「きゃーっ!たすけてーっ!」 あっと思う間もありません。オレンジ色の光線に包まれたミス・メリーはそのまま、怪ロボットの不気味な目から、すうっとその体内へ吸い込まれてしまったのでした! |
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